「楽天のSKU移行に伴ってCSVの仕様が変わってから、エラーばかり出て更新作業が進まない……」 「新しいCSVの使い方(normal-item.csv)が複雑すぎて、結局1商品ずつ手作業で直している……」 「セール前の価格変更だけで、スタッフが深夜まで残業している状況をなんとかしたい!」
ネットショップを運営する皆様、毎日の作業、本当にお疲れ様です。 お客様対応から出荷手配、And膨大な商品情報の更新と、EC事業者の抱えるタスクはまさに山積みですよね。
こんにちは。これまで10年以上にわたり、ECコンサルタントとして数多くのショップ様と伴走し、現場の泥臭い運用から売上アップの戦略までをサポートしてきた専門家です。
楽天市場に出店されている店舗様から、ここ数年で最も多く寄せられる悲鳴のひとつが、「新しくなった商品一括登録用CSV(normal-item.csv)の扱い方がわからない!」というお悩みです。 旧仕様の「item.csv」に慣れ親しんでいた方にとって、商品情報やSKU情報がひとまとめになった新しいファイル形式は、なんだか得体の知れないモンスターのように感じられるかもしれません。
しかし、結論からお伝えします。 このCSVを正しく使いこなせるようになれば、商品ページの修正やセール準備にかかっていた時間は劇的に、それこそ10分の一以下に短縮できます。
今回は、毎日RMS(楽天の店舗運営システム)と睨めっこしている事業者様に向けて、CSVを使った更新作業の基本ステップと、絶対に知っておくべき「エラーを防ぐ現場の裏技」を、分かりやすく噛み砕いて解説していきます。 専門用語の羅列は避け、現場目線でお話ししますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。
そもそも新しい商品CSVとは?なぜ使うべきなのか
楽天市場では、各店舗のページ構成を統一し、ユーザーがより商品を比較・検索しやすくするための「SKUプロジェクト」が実施されました。その影響で、これまで使っていた「item.csv」や「select.csv」といったファイルは統合され、新たに登場したのが「normal-item.csv」です。
これ一本で、商品名や価格の変更はもちろん、色やサイズのバリエーション追加、セール時の販売期間の設定から商品説明文の差し替えまで、あらゆる情報が一括で編集できるようになりました。
「でも、なんだか列が多くてExcelで見ると目がチカチカする……」 そのお気持ち、痛いほど分かります。最初は見慣れない項目名がズラリと並んでいるため、拒絶反応が出てしまうのも無理はありません。 しかし、セール時に100商品の価格を直す場面を想像してみてください。手作業でRMSを開いて、直して、保存して……を繰り返すのは、時間と労力の無駄遣いどころか、入力ミスのリスクも跳ね上がってしまいます。
売上を伸ばすための「戦略」を練る時間を捻出するためには、こういった「作業」はCSVで一瞬にして終わらせる仕組み作りが不可欠なのです。
CSVを使った基本の更新3ステップ
それでは、実際にCSVを使って商品情報を一括編集する手順を見ていきましょう。 大きく分けて「ダウンロード」「編集」「アップロード」のたった3つのステップで完結します。
ステップ1:RMSから必要な情報をダウンロードする
まずは、現在の正確な商品データをRMSから取り出す作業です。 ここでの鉄則は、「毎回必ず、最新のデータをダウンロードして使うこと」。以前パソコンに保存した古いCSVを使い回すと、あとから手作業で修正した内容が消えてしまったり、重大なエラーを引き起こす原因になるからです。
- RMSのトップ画面から「店舗設定」>「商品管理」>「CSVダウンロード」と進みます。
- ダウンロードするデータとして「商品情報(normal-item.csv)」を選択。
- 「商品管理番号」や「カテゴリ」などで、今回編集したい対象のアイテムだけを絞り込みます。
- ここでポイントなのが、編集したい項目にだけチェックを入れるということ。例えば「販売価格」だけを変えたいなら、商品説明文などのチェックは外しておきましょう。ファイルが軽くなり、操作ミスも防げます。
- 「ダウンロード」ボタンを押したら、SFTPソフト(FFFTPやFileZillaなど)を使って、楽天のサーバー内の「ritem>download」フォルダから、ご自身のパソコンへファイルを保存します。
※SFTP接続の具体的な設定方法や、FTPソフトの操作に不安がある場合は、公式マニュアルである店舗運営Naviの解説を参考に進めてみてください。 店舗運営Navi:https://navi-manual.faq.rakuten.net/item/000045763
ステップ2:ExcelなどでCSVファイルを編集する
無事にパソコンへダウンロードできたら、いよいよ中身の編集です。 使い慣れたExcelやAccessを開いて、変更したい箇所のデータを上書きしていきます。
ここで気をつけていただきたいのが、「商品管理番号(商品URL)」や「システム管理番号」といった、商品を特定するための重要な列は絶対に書き換えたり消したりしないこと。ここがズレると、楽天側が「どの商品のデータを上書きすればいいの?」と迷子になってしまいます。
また、ExcelでCSVを開く際、商品管理番号などが「001」といったゼロ始まりの場合、ただ開くだけだと「1」に変換されてしまう「ゼロ落ち」という現象が起きることがあります。これを防ぐために、Excelのデータ取り込み機能を使って、該当の列を「文字列」として読み込むなどのひと手間をかけてあげると安心です。
詳しい編集方法や項目の定義については、以下の店舗運営Naviの仕様書一覧も非常に役立ちます。 店舗運営Navi:https://navi-manual.faq.rakuten.net/item/000046522
ステップ3:編集済みCSVをSFTPソフトでアップロードする
編集が完了して上書き保存したら、最後は楽天のサーバーへデータを送り返す作業です。
SFTPソフトを立ち上げ、今度はサーバー内の「ritem>batch」というフォルダを開きます。そこへ、編集済みのCSVファイルをドラッグ&ドロップで放り込むだけ。 しばらくすると、RMS側で自動的に処理が走り、一斉に商品ページの内容が切り替わります。処理が終わると登録アドレス宛てにメールが届くので、エラーが出ていないか必ず確認する癖をつけておきましょう。
アップロードのより詳細な手順は、以下の店舗運営Naviをご確認ください。 店舗運営Navi:https://navi-manual.faq.rakuten.net/item/000045864
【超重要!】プロが実践する「ファイル名」の管理術と裏技
さて、ここからが長年ECの現場を見てきた私がお伝えしたい、今回の記事で最も重要なポイントです。
作成したCSVファイルをサーバーへアップロードして反映させる際、楽天のシステムは実は「normal-item.csv」という完全一致のファイル名でなくても、ファイル名の先頭が「normal-item」から始まっていれば正常に処理してくれる仕様になっています。
これを利用して、作成したCSVファイルを管理する意味でも、ファイル名の付与は慎重に行ってください。
ただ単に「normal-item.csv」といった、どういった内容を編集したCSVファイルなのか分かりにくいファイル名で毎回保存していると、パソコンのフォルダ内が「normal-item (1).csv」「normal-item_最新.csv」「normal-item_絶対最後.csv」のようにカオスな状態になってしまいます。
これよりも、 normal-item_260101_price.csv といったように、「日付(2026年1月1日)」と「変更した内容(価格変更)」を半角英字で追加する事で、アップロードも出来て、あとから見返しても管理がしやすい名称となります。
誤って別のファイルをアップロードした際や、数日後に「あれ?ここの値段間違ってない?」と修正点があった際に、どのファイルで操作したのかが分かりやすくて、問題が解決しやすくなります。
実際に、過去の私がこういった規則的な名前を付与しなかった事で、エラー箇所を特定して修正するのに丸一日近い相当な時間を費やした……という苦い思い出があります。あの時の冷や汗は今でも忘れられません。 ですから皆様には、ぜひこの「日付+内容」のファイル名付与ルールを今日から取り入れていただきたいのです。
【著者の経験事例談】アナログな50代店長を救ったCSV運用
ここで、私が過去に伴走支援させていただいた、ある店舗様のリアルなエピソードをご紹介させてください。
店舗ジャンルは「レディースアパレル」。運営されているのは、元々実店舗での接客経験が長く、ウェブやパソコンの操作には強い苦手意識を持っていた50代の男性オーナー様でした。
アパレルというジャンルは、「カラー(赤・青・白)」×「サイズ(S・M・L)」といったように、ひとつの商品に対するバリエーション(SKU)が非常に多くなります。 SKU移行前はなんとか手作業で在庫や価格を修正していたのですが、移行後は登録画面が複雑になり、「新色の追加作業だけで半日終わってしまう……」「セール前夜は、スタッフ総出で1商品ずつ価格を手打ちしている」という、まさに疲弊しきった状態でした。
そこで私は、CSVを使った一括編集の導入を強く提案しました。 最初は「こんなアルファベットと数字だらけの表、絶対にいじりたくない!」と抵抗されていたオーナー様。しかし、一緒に画面を見ながら、不要な列を隠して「価格」と「在庫」の列だけを表示させるなど、目線をシンプルにする工夫をお伝えしました。
そして、先ほどご紹介した「ファイル名に日付と内容を入れるルール(例:normal-item_261201_wintersale.csv)」を徹底していただいたのです。
結果はどうだったか? これまでスタッフ3人がかりで5時間かけていたスーパーSALE直前の価格変更作業が、なんとオーナー様お一人で、わずか30分で完了するようになりました。 「今まで手作業でやっていた時間は一体なんだったんだ……」と、オーナー様が笑いながらも少し悔しそうにおっしゃっていたのが印象的です。
この事例からも分かるように、CSVは決して一部のITに強い人だけのツールではありません。ルールを決め、手順をマニュアル化してしまえば、どなたでも使いこなせる最強の武器になるのです。
まとめ:仕組み化で「売上を作る時間」を生み出そう
いかがでしたでしょうか。 今回は、楽天のSKU移行に伴う一括編集ファイル(normal-item.csv)の扱い方と、トラブルを未然に防ぐファイル名の運用術についてお話ししました。
- 毎回必ず最新のデータをダウンロードすること
- 不要な項目はチェックを外してファイルを軽くすること
- ファイル名には「日付」と「作業内容」を半角英字で付与すること(例:normal-item_260101_price.csv)
これらを徹底するだけでも、作業の安全性とスピードは格段に上がります。 日々の単純作業をCSVで一瞬にして片付け、浮いた時間を「どんな企画でお客様を喜ばせようか」「どんなメルマガを書こうか」といった、『未来の売上を作るための仕事』に充てていただければ嬉しいです。
「どうしても最初の一歩が踏み出せない」「自社の商品構成だと、どの項目をどういじればいいか分からない」という方は、一人で抱え込まずに専門家に相談するのも一つの手です。


