RPP広告レポートと実売上がズレる理由|720時間売上件数の正しい見方

楽天市場
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【この記事を書いた人】
ECnews編集部 / 岡田 翔
衣料品商社のEC事業部を経て、2007年からECショップの運用代行を立ち上げ、
多数の楽天市場・Yahooショッピング・Amazonを運営されている事業者様の売上を拡大。
ファッションから雑貨小物、日用品や食品まで、多岐にわたるジャンルを支援しています。
売上UPから各モールでのトラブル処理など、現在の最新の情報からお店と伴走した過去の実績や解決例を赤裸々に語っています。

楽天のRPP広告を運用していると、 多くの方が一度はこの壁にぶつかります。

「広告レポートの売上件数と、実際の売上件数が合わない」

例えば、

・実際の売上:1件
・RPPレポート(720時間):5件

こういったズレが起こることがあります。数字だけを見ると「誤作動なのでは」と不安になってしまいますよね。私自身、運用代行を始めたばかりの頃はこの数字を見て青ざめた経験があります。

ですが結論から先にお伝えすると、これは異常ではなく、 RPPの仕様に沿った、いわば正常な挙動と考えられています。

この記事では、なぜこのようなズレが生まれるのか、そして数字をどう読み解けばいいのかを、実際の運用現場で見聞きしてきたエピソードを交えながらお伝えしていきます。

この記事を書いているのは、EC運営歴8年ほどの岡田翔と申します。楽天市場を中心に、複数のショップさんの広告運用や商品ページ改善のお手伝いをしてきました。ただ私は楽天株式会社の社員ではなく、RPP広告の仕様について公式にお答えできる立場ではありません。

あくまで、日々の運用の中で感じたことや、クライアントさんから伺った話をもとに、この記事をまとめています。仕様の詳細や最新情報については、記事の最後にある公式マニュアルも合わせてご確認いただけると安心です。

※重要な注意事項
この記事は、筆者個人の運用経験と一般的な情報をもとに構成したものであり、楽天株式会社の公式見解ではありません。実際の広告運用や仕様の解釈については、必ず楽天のサポート窓口や公式マニュアルでご確認ください。仕様は予告なく変更される場合がありますので、その点もあらかじめご了承ください

■結論:RPPは「商品単体の売上」を見ていない

まず押さえておきたいのがこの点です。

多くの担当者さんが誤解しがちなのですが、 RPP広告の売上は、「その商品自体が売れた数」を表しているわけではありません。

正しくは、

「その広告がきっかけとなって発生した、店舗全体の売上」

を計測する仕組みになっていると考えられます。

私が初めてこの仕様を知ったのは、あるアパレル系ショップさんの数字を見ていたときでした。特定の商品の広告経由売上が急に跳ね上がっていて、「この商品がバズったのか」と思いきや、実際に動いていたのは全く別のトップスだったんです。

最初は自分の見方が間違っているのかと焦りましたが、仕様を調べ直してようやく腑に落ちました。


■720時間売上の正体とは

「720時間」という言葉だけを見ると難しそうですが、 中身はシンプルです。

これはクリック後およそ30日間を指しているとされています。

この期間内に発生した購入が、 広告の成果として紐づけられる仕組みのようです。

つまり、クリックした瞬間の購入だけでなく、 数日後、あるいは数週間後にふらっと戻ってきて買い物をした場合も、 最初のクリックの成果としてカウントされる可能性があります。

Kさん(40代・雑貨店の運営担当)から以前こんな相談を受けたことがあります。「広告のレポートを見ると数字が良いのに、月末の売上集計と全然合わない」と。

話を聞いてみると、まさにこの720時間の仕組みを知らないまま日々の数字を追いかけていて、毎回モヤモヤしていたそうです。


■なぜ売上件数が増えるのか(本質)

仕組み自体は、それほど複雑なものではありません。

流れとしては、

①ユーザーがRPP広告をクリックする
②店舗のページに訪れる
③そこで別の商品を購入する

という順序になります。

このケースでも、 最初にクリックされた広告に成果が紐づく設計になっているようです。

言い換えると、広告は「きっかけ」であって、 その後どの商品が売れるかまでは広告自体がコントロールしているわけではありません。ここを混同してしまうと、数字の見え方がまるで変わってきます。


■具体例で理解する

言葉だけだとイメージしづらいので、具体的な例で見てみましょう。

・ユーザーが「商品A」の広告をクリック
・その後、店舗内をあちこち回遊
・最終的に「商品B」「商品C」「商品D」を購入

このような流れがあったとします。

・商品Aの実売上 → 1件
・RPP広告の成果 → 4件
(合算で5件と表示されることもあります)

というふうに数字がズレて見えることになります。

ポイントとして、 広告は“入口の評”、実売上は“出口の結果”と捉えると理解しやすいかもしれません。

以前、支援先の食品ショップで似たケースがありました。看板商品の広告経由売上が思ったより伸びず、「この広告は失敗だったか」と担当者さんが広告を止めかけたことがあったんです。

ところが実売上全体を見返すと、その広告をきっかけに他の詰め合わせ商品がよく売れていました。あのとき止めていたら、店舗全体の売上を落としていたかもしれません。


■なぜこの仕様なのか

そもそも、なぜこのような設計になっているのでしょうか。

楽天のRPPは、

「集客のための広告」というより「売上への貢献を評価する広告」

として作られていると考えられています。

つまり評価の軸は、

・どの商品が売れたか ではなく
・どの広告が売上のきっかけになったか

に置かれているようです。

この考え方を知っているかどうかで、 広告運用の方針そのものが変わってくることがあります。


■よくある誤解

現場でよく見かける判断ミスとして、次のようなものがあります。

×「この商品、広告が効いていない(売れていない)」
→ 実は他の商品の売上に貢献している可能性があります

×「ROASが良い=この商品が売れている」
→ 実際には別の商品が売れているケースも少なくありません

👉 この誤解が、広告の最適化判断を狂わせてしまう場合があります。

私の知人で、ハンドメイド雑貨を扱うMさん(30代女性)は、ROASの数字だけを頼りに広告予算を配分していた時期がありました。

「数字が良い商品にもっと予算を」という判断自体は自然なのですが、後から棚卸しをして初めて、実際に動いていた商品が別だったと気づいたそうです。「あのとき違う商品に予算を寄せていたら」と、少し悔しそうに話していたのを覚えています。


■正しい分析方法(重要)

ここまでの内容を踏まえると、RPPの数字は 以下の2つの軸に分けて見る必要があると言えそうです。

①商品単体の売上(RMS上のデータ)
②広告経由の売上(RPPレポート上のデータ)

この2つを混同せず、それぞれ別の指標として捉えることが、 数字を正しく読み解く第一歩になります。


■実務での判断基準

実際の運用現場では、次のようなパターンで判断していくことが多いです。

▼パターン① 広告経由の売上は高いが、商品単体の売上は低い
→ 集客の入口商品として機能している可能性があります

▼パターン② 広告経由の売上も商品単体の売上も高い
→ 主力商品として、強化を検討する余地があります

▼パターン③ どちらも低い
→ 広告停止、もしくは改善が必要なケースが多いです

もちろんこれはあくまで一般的な傾向であり、ジャンルや価格帯によって当てはまり方は変わってきます。実際の判断は、ご自身の店舗のデータと照らし合わせながら行っていただくのが安心です。


■RPPで成果を出す考え方

ここが、個人的にも一番お伝えしたい部分です。

RPPは、

「商品を売るための広告」というより「入口を作るための広告」

と捉えると、数字への向き合い方が変わってくるかもしれません。

つまり見るべきポイントは、

・クリックされているか(CTR)
・回遊されているか(導線)
・最終的に購入につながっているか(CVR)

これらを総合的に設計していく視点が求められるように感じます。


■売上を最大化する改善ポイント

具体的な改善の方向性としては、次のようなものが挙げられます。

①入口商品の最適化
→ クリックされやすい商品を広告の起点にする

②商品ページの回遊設計
→ 関連商品やランキングの導線を設置する

③ストア全体のCVR改善
→ どの商品でも購入につながりやすい状態を整えておく

私が支援していたコスメ系のショップでは、あえて単価の低い人気商品を広告の入口にして、ページ内で関連商品への導線を強化したところ、店舗全体の売上が底上げされたことがありました。

もちろんこれは一つの成功例であり、すべての店舗で同じ結果になるとは限らない点はご了承ください。


■よくある失敗

現場でよく見かける失敗パターンとして、次のようなものがあります。

・1つの商品単体だけで良し悪しを判断してしまう
・ROASの数字だけで評価してしまう
・広告=即座に売上につながるものと考えてしまう

このような見方をしていると、RPPの本来の効果を活かしきれないことが多いようです。

実は私自身、運用代行を始めた初期の頃、まさにこの失敗をやらかしています。ある雑貨店さんの広告で、狙っていた商品の売上が伸びなかったことに焦って、店舗全体の数字を見ずに広告費を大幅に削ってしまったんです。

結果として、店舗全体の売上まで下がってしまい、担当者さんに謝罪する羽目になりました。今振り返ると、視野が狭くなっていたと反省しています。


■まとめ

・RPPの売上は「商品単体」の数字ではないと考えられています
・「広告がきっかけとなった売上」全体が計測される仕組みのようです
・レポートと実売上のズレは、多くの場合正常な仕様の範囲内です
・入口商品としての役割を理解しておくことが大切です


■EC担当者への結論

RPPで安定して成果を出している担当者さんは、 数字の見方そのものが少し違うように感じます。

「この商品が売れたかどうか」ではなく 「この広告が売上のきっかけを作れたかどうか」

という視点で判断している方が多い印象です。

この見方に切り替えるだけで、 広告運用の精度が変わってくることがあるかもしれません。


■よくある質問

Q1. RPPレポートの売上件数と実際の売上件数がズレるのは異常ですか?

多くの場合、これは楽天RPPの仕様に沿った正常な挙動と考えられています。ただし極端に数字が乖離している場合は、念のため楽天のサポート窓口に確認しておくと安心です。


Q2. 720時間売上とは具体的にどのような期間を指しますか?

クリック後およそ30日間に発生した購入が、広告成果として計測される仕組みとされています。当日の購入だけを指すものではない点に注意が必要です。


Q3. 広告経由の売上が低い商品は、広告を止めるべきですか?

必ずしもそうとは限りません。その商品が入口となって、他の商品の売上に貢献している可能性があるため、店舗全体の売上動向も合わせて確認することをおすすめします。


Q4. RMSの売上とRPPレポートの売上、どちらを信用すればいいですか?

どちらか一方だけを見るのではなく、商品単体の売上(RMS)と広告経由の売上(RPP)を分けて確認することが、数字を正しく読み解くポイントになりそうです。


Q5. ROASが良い商品ほど注力すべきですか?

ROASの数字だけで判断すると、実際には別の商品が売れているケースを見落とすことがあります。店舗全体のデータと照らし合わせながら判断することをおすすめします。

参考情報

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